院長BLOG

2012年7月27日 金曜日

アパタイトインプラントの現状

横浜市磯子区根岸にあるデンタルライフクリニックの院長は、過日、アパタイトインプラントについての講演を聞きました。

まず、物凄く驚いたことは、スエーデンや、スイスに本社を置く世界のトップブランドのインプラント製品が日本製の機械で作られているということです。日本のインプラント工学的技術が極めて高いということです。
これだけ高い技術を提供できる国でありながら歯科インプラントの普及率は先進国と比較してかなり低いということが分かりました。マスコミがインプラントを否定的に報じることが多くなり、インプラント治療を敬遠されている人も増えているそうです。

何らかの理由により歯を抜いた後は、通常、義歯やブリッジにより欠損部分を補填しますが、意外とそれが成されていない、すなわち「歯を抜きっぱなし」の方がかなり多いという事実も明らかにされました。

現在のアパタイトインプラントとは、ハイドロキシアパタイト単体のインプラントではなくチタンインプラントにハイドロキシアパタイトをコーティングしたものが主流になっています。工業的にはアパタイトの結晶構造に改良を加え、チタンインプラントにコーティングする技術も進歩したものとなっています。
一番の問題は、ハイドロキシアパタイトが剥がれてしまうことです。これを無くするために企業はしのぎを削って競争し進歩させています。その中ではスパッタリング法(薄く吹き付ける方法)がアパタイトの層が薄く、インプラントからも剥がれにくいので臨床的には良好と言うことでした。

投稿者 デンタルライフクリニック院長 | 記事URL

2012年7月19日 木曜日

インプラント治療に関連する上顎洞炎を考える3

副鼻腔の基本構造について前回お話いたしました。

原因となる歯を抜去しても炎症がなかなか治らない、もしくは再発が繰り返される場合にはやむを得ず、上顎洞機能的手術を行うことになります。1980年代まで行われていたような「上顎洞根治術」は手術侵襲が大きいため現在は殆ど行われておりません。

上顎洞粘膜を極力残し、篩骨洞の狭窄を改善する「上顎洞機能手術」が行われています。
通常、手術後の経過は良好で、鼻漏や、膿汁の貯留、洞粘膜の肥厚なども起こらず、軽快に過ごせます。

投稿者 デンタルライフクリニック院長 | 記事URL

2012年7月12日 木曜日

インプラント治療に関連する上顎洞炎を考える2

上顎洞は鼻の周囲に存在する副鼻腔の一つです。

鼻の中心、鼻の穴の奥、即ち呼吸により鼻から空気が取り込まれるときの空洞が鼻腔です。そして副鼻腔はその左右や上下に存在する空気の貯蔵庫、脳を冷却する役割があると言われています。上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞がそれにあたります。これらのいずれかに炎症が起きた場合、副鼻腔炎と呼ぶこともあります。

その中で、上顎洞と篩骨洞が密接に関係していることがわかりました。篩骨洞は鼻骨(鼻を作る骨)の奥に存在し上顎洞よりも前方かつ上方にあります。そこでは上顎洞の分泌物などを濾過する役割があります。この機能がうまく働かないと上顎洞炎を起こしてしまいます。鼻腔から進入してきた微生物(細菌、ウイルス、真菌など)は表面に近い場合は鼻粘膜、奥まで進入してしまった場合は上顎洞粘膜により鼻汁とともに排除されます。そのときに篩骨洞がきちんと働くと排泄されやすいのですが、そこの排泄通路が狭かったり、炎症を起こしていたりすると、排泄されずに逆流して上顎洞が炎症を起こしてしまうのです。

上顎インプラントが原因の上顎洞炎と言われているものが、インプラント自身が原因である場合と、篩骨洞が原因でインプラント周囲に炎症を起こして場合もあるので注意が必要です。

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2012年7月 1日 日曜日

インプラント治療に関連する上顎洞炎を考える

過日、横浜市磯子区のデンタルライフクリニック院長はインプラントに関わる上顎洞の解剖学的特長および臨床的上顎洞についての講演を聴きました。
耳鼻咽喉科医で鼻科を専門とするM.D.のお話です。

現在、上顎洞炎に関する明確な定義および診断基準は無いとのことです。臨床症状とレントゲンなどの画像診断により総合的に判断するそうです。例えば、レントゲン上で上顎洞粘膜の肥厚が認められていたとしても、症状が何も無いとしたら、上顎洞炎ではなく治療対象とはなりません。また、後鼻漏が他覚的に認められていても、患者の具体的な訴えが無ければ治療対象とはなりません。

通常、上顎のインプラント治療について、上顎洞炎がある場合は禁忌とされていますが、上記のようにレントゲンにて、肥厚のみの所見や、自覚症状の無い後鼻漏などはインプラント治療上の禁忌とはいえなくなります。総合的に判断して治療可能な場合が多くあると言うことです。
次回は上顎洞の解剖学的特徴などについて記載してみたいと思います。

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